

天神さまと
アート
Relationship with Art
御祭神である菅原道真公、天神さまは、「学問の神様」であるとともに「文化芸術の神様」として信仰されています。漢詩や和歌に秀でた才能を発揮された道真公を慕って、古くから多くの文人や芸術家が当宮を訪れ、それぞれの時代の最先端の作品をご奉納してきました。
いつの時代も文化芸術の発信地であった当宮は、いまなお多くのアーティストを惹きつけてやみません。平成18年(2006)からは、アーティストが太宰府での取材・滞在を経て制作を行う「太宰府天満宮アートプログラム」を実施しています。
国籍やジャンルを問わず、さらに時間まで超越し、多様なアートのあり方を示す当宮独自の取り組みは、いまでは美術の世界でも広く知られるようになりました。
太宰府天満宮では、「境内美術館」と名付け、神社と呼応し合うアートへの取り組みを続けています。これは、文化芸術の神様である天神さまの役割を、現代に継承するものです。
境内で出合うアート Art in the precincts
当宮では、実際に境内の様々な場所でアート作品をご覧いただけます。
いずれも世界の第一線で活躍するアーティストたちが、
当宮や神道について深く思考を巡らせて制作した特別な作品ばかりです。

日本画家 神戸智行(かんべ・ともゆき 昭和50年岐阜県生)は、古典技術や技法に則り研鑚を重ね、下地に箔を敷き詰めた上に彩色、極薄の和紙、さらに彩色を順に何層にも重ねるスタイルを編み出しました。その独特の空気感や遠近感を備えた画面は静謐でありながらも、そこで繰り広げられる生き物たちの営みに見て取れる壮大な世界観は、万物に神が宿るという神道の概念にも通じています。
神戸は、平成26年に太宰府に移住して以来、境内の四季のうつろいを肌で感じながら、当宮の文書館ための襖絵制作に取り組んできました。その完成に先立ち、本展では当宮がこれまでに収集してきた神戸作品をご紹介いたします。

「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」
これは、太宰府天満宮の御祭神 菅原道真公が京都の自邸を離れる際に詠まれた歌として知られていますが、主との別れを惜しみ、一夜にして大宰府まで飛んできたという太宰府天満宮の御神木「飛梅」の開花を皮切りに、約200種6,000本の梅が次々に花を咲かせ、境内は馥郁たる香りに包まれます。
古今を問わず、梅を想い、創作に挑んだ作家は少なくありません。梅は、絵画、書、工芸などといった、ジャンルに関わらず、作家にとっての永遠のモチーフとして採用され、その作品は時代を超え、私たちの琴線に触れるのです。本展では、当宮の所蔵品の中から梅にまつわる作品をご紹介いたします。

太宰府天満宮が御祭神・菅原道真公(天神さま)の祀廟として創建され千百余年、その悠久なる歴史の中で天満宮は、平安時代からの庶民による信仰はもとより、大宰府官人や武将による庇護を受け、文化人・学者の聖地として崇められてきました。また、幕末の志士が集い維新の策源地となるなど、それぞれの時代で人々の精神的な拠り所かつ政治的な要所としての役割を担ってきました。第1展示室では、所蔵品展「天神さまへの献上品」を開催いたします。
戦国武将豊臣秀吉や小早川隆景、黒田如水の書状(重要文化財)、大谷刑部吉継寄進の大鏡(福岡県指定)、そして幕末の公家三条実美の和歌など、天神信仰の証として天満宮に奉納された品々をはじめ、大切に伝えられてきた貴重な資料を紹介します。
※展示内容を替えることがあります。

宝物殿
菅原道真公ゆかりの展示や、
様々な企画展を行う
道真公の御佩刀や国宝「翰苑(かんえん)」などの貴重な古文書や美術品を収蔵し、太宰府天満宮の成り立ちや天神信仰にまつわる展示・研究を行っています。
近年では、アーティストが太宰府での取材・滞在を経て制作を行う「太宰府天満宮アートプログラム」を始めとする、現代アートの展示にも力を入れています。「境内美術館」の拠点としての情報発信も行なっていますので、アート探訪の際に、是非お立ち寄りください。
併設のミュージアムショップでは、展覧会の関連グッズや当宮オリジナルグッズ、書籍などをお求めいただけます。
- 開館時間
- 9:00~16:30(入館は16:00まで)
- 休館日
- 月曜日
※祝日・振替休日の場合は開館。展示替えのため、臨時休館することがあります。
拝観料 | 個人 | 団体 |
---|---|---|
一般 | 500円 | 400円 |
大学生・高校生 | 200円 | 100円 |
中学生・小学生 | 100円 | 50円 |
※30名以上で団体料金となります。団体でご来館の際は事前にご連絡ください。
菅公歴史館

太宰府天満宮のあらましを分かりやすく展示しています。学問・文化芸術・厄除けの神様として信仰を集める菅原道真公の、波乱に満ちた御生涯を、衣装を着せた博多人形によって物語のようにご覧いただけます。また当宮にて日々執り行う祭典や神事の様子を、写真や実際におまつりで使用する祭具でお伝えしています。
- 開館時間
- 9:00~16:30(入館は16:00まで)
- 休館日
- 火曜日・水曜日
拝観料 | 個人 | 団体 |
---|---|---|
一般 | 200円 | 150円 |
大学生・高校生 | 150円 | 80円 |
中学生・小学生 | 100円 | 50円 |
※30名以上で団体料金となります。団体でご来館の際は事前にご連絡ください。
九州国立博物館

明治期に第36代西高辻󠄀信厳宮司を中心に設置が構想され、昭和46年、第38代信貞宮司が境内地14万㎡を建設用地として寄附したことを経て、平成17年に日本で4番目の国立博物館として開館。文化芸術の神様の聖地にふさわしく、博物館はいつも新たな学びにあふれています。
- 開館時間
- 9:30~17:00(入館は16:30まで)
- 休館日
- 月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)
拝観料 | 大人 | 大学生 | 高校生、18歳未満、 満70歳以上 |
---|---|---|---|
一般 | 700円 | 350円 | 無料 |
※特別展は別料金となります(特別展の料金で文化交流展もご観覧いただけます)。詳細については、九州国立博物館のウェブサイトをご覧ください。
太宰府天満宮・九州国立博物館 共通チケット
宝物殿と菅公歴史館、九州国立博物館文化交流展示室(常設展)の三つを観覧できる、お得なチケットです。

共通チケット(一般)
1枚 1,400円
1,000円
- ※団体販売はございません。
- ※九州国立博物館文化交流展示室(常設展)は、18歳未満は無料・大学生も学割料金(350円)が適用されますので、一般の方のみの販売となります。
<販売場所>
太宰府天満宮宝物殿/菅公歴史館/九州国立博物館1階チケット販売所