秋風薫る旧暦9月10日(10月上旬)19時より大宰府政庁跡において、道真公ご在世の往時を偲び、
秋思祭について
旧暦9月9日は「重陽の節句」で、宮中では観菊の歌会が催され、翌10日にも後宴が催されていました。
昌泰3年(900年)、当時右大臣であった道真公は、この後宴で、醍醐天皇からの「
大変感激された醍醐天皇よりお召しの御衣を授けられ、道真公は名実ともに人生最高のときを迎えられました。
しかし、その4ヵ月後の昌泰4年(901年)、左大臣 藤原時平の政略により、突如として大宰府に左遷され、衣食ままならぬ厳しい生活を送られることになりました。
一年後の9月10日、道真公は都での華やかなときを偲びつつ、天皇さまをお慕い申し上げる漢詩を詠じられました。
「秋思祭」は、この道真公のお気持ちを偲んで大宰府政庁跡にて執り行われます。どうぞ、皆さま方もご参列ください。



「秋思」の詩

丞相年を
今宵は物に触れて
声
葉の落つる
君は春秋に富み 臣は
知らず 此の
酒を飲み琴を聴きまた詩を詠ぜん
わたくしは右大臣となり、この方、まつりごとに忙殺され、気の休まる時はありませんでした。
今宵は秋の風情に触れて、おのずから悲しみが増すのを覚えます。
風の吹く草むらにはこおろぎの声が冴え雨に打たれた
若き帝には、悠久の未来がありますが、わたくしはいよいよ老齢の城に達しました。
帝に賜った御恩は限りないというのに、その御恩に報いることはできそうもありません。
このやるせない心のうちを、わたくしは、どのように安らいだらよいのでしょうか。
ともあれ、酒を飲み琴を聴き、詩を詠んでその心を慰めることといたしましょう。
「九月十日」の詩

去年の今夜 清涼に侍す
秋思の詩篇 独り断腸
恩賜の御衣 今ここに在り
捧持して 毎日余香を拝す
去年の今夜、わたしは宮中の清涼殿で天皇のお側近くに座っていた。 「秋思」という題で詩を作るようにという思し召しに、わたし一人が腸を絶つような痛切な思いをこめた詩を奉った。その詩が天皇のお気に召して御衣を賜った。 それは、筑紫のこの地まで持ってきたが、今では、その御衣を捧げ持っては、その余香をかいで天皇さまをお慕い申し上げる毎日である。
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