
写真家 津田直は、日本だけでなく世界中を旅しながら、人間と自然の関わりを見つめ続けています。行く先々で目の前に広がる風景に全身で向き合い、自然を切り取る、その独特なアプローチによって数々のランドスケープ作品を発表してきました。近年では、土着の信仰に支えられた聖域や独自の民族的文化を守り続ける集落での撮影、古代文明をたどるフィールドワークに基づく作品づくりにも取り組んでいます。2017年5月、冬から夏へと季節が移り変わる瞬間を追い求めたフィンランドでは、群島の岩場や岸辺から見つめた草木がいち早く夏の到来を察知して新芽を開く様や、人々が世代を超えて大切にしているという、短い夏を満喫するための小屋とそれを取り巻く自然の姿に、北欧の初夏を見出しました。植物の息吹、氷が解けた湖面、陽の光や風、といった被写体に目を凝らして写し取った一瞬に、津田作品の世界観が感じられます。
写真家。世界を旅し、ファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続けている。文化の古層が我々に示唆する世界を見出すため、見えない時間に目を向ける。2001年より個展を中心に多数の展覧会を開催。2010年、芸術選奨新人賞美術部門受賞。大阪芸術大学客員教授。2012年より東京と福岡の二拠点にて活動。
http://tsudanao.com
文書館では、「辺つ方(へつべ)の休息」と題し、津田直が本展のために撮りおろした写真作品を展示いたします。フィンランド南西部にあるヴァーノ島で芽吹いた植物や、ユヴァスキュラ近郊の湖畔に建つサマーコテージを包み込む空の色。津田がとらえた北欧の初夏の訪れを、日本建築の中でご覧ください。畳敷きの空間に特別設計した展示台は、ゴツゴツとした岩の多い島を歩くような心持ちで、体を斜めにしたり、座ったり、視線を変えながら作品を見るための仕掛けにもなっています。
© Nao Tsuda, Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film
空間・プロダクトデザイナー。福岡と東京を拠点に、空間設計を軸とするCASE-REALとプロダクトデザインに特化するKOICHI FUTATSUMATA STUDIOを主宰。建築からインテリア、家具、プロダクトにいたるまで活動の幅は多岐に渡る。
http://www.casereal.com/
会場となる文書館は、1901年(明治34年)に菅原道真公の「御神忌千年大祭」の記念事業の一環として建てられた施設で、通常は一般公開しておらず、本展期間中は特別公開となる。
会期:
2018年5月12日(土)〜7月1日(日)
9:00〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:
毎週月曜(6月25日は開館)
拝観料:
共通チケット [ 宝物殿+文書館 ]
一般 700(600)円、
高大生 300(200)円、
小中生 150(100)円
宝物殿・文書館 それぞれ
一般 400(300)円、
高大生 200(100)円、
小中生 100(50)円
※( )内は30名以上の団体料金、障害者手帳提示により付添者1名まで半額料金
会場:
太宰府天満宮 宝物殿企画展示室・文書館
〒818-0117 福岡県太宰府市宰府4-7-1
お問い合わせ :
tel.092-922-8225
https://www.dazaifutenmangu.or.jp/