HOME展覧会概要出品作品NEW NEW DAYライアン・ガンダ― プロフィールアクセス協力

出品作品リスト(全8点)

ライアン・ガンダーが、数回に渡り天満宮を取材して制作した新作アート8点を太宰府天満宮の宝物殿展示室さらには、梅の香漂う境内にてご紹介します。異文化に育ち、なおかつ人間の思考や精神を作品化するという、彼ならではの個性がとらえた「DAZAIFU」の姿を通して、日本文化や日本人の精神の本質を考える展覧会です。

インスタレーション、彫刻、天満宮幼稚園年長組園児75名とのワークショップを通して制作したタイムカプセル、「天満宮の新記念日をつくる」プロジェクトなどバラエティに富み、作品設置場所を示すマップを手に境内を歩きながら作品を鑑賞できます。

ライアン・ガンダ―展作品マップ
作品マップのダウンロードはこちら[PDF:320KB]
(1)As reliable as change | 変化と同じくらい信頼に足るもの 2011

超越的な存在を体感する

宝物殿内の一室を使ったインスタレーション作品。窓からもれるまばゆい光は、現実の森の景色なのか、あるいは時空を超えた古代の森の再現なのか、アニミズム的ともとれる超越的な自然のパワーへの畏怖のメタファーなのか。鑑賞者が、展示室にいながらにして展示の外に閉め出されるような錯覚を覚える展示方法。そこでは内部と外部の反転が生じ、鑑賞者は展示室の外部で起こっている何ごとかについて想像するしかない。なんらかの意味やストーリーを発見すべく想像をめぐらせる過程で、鑑賞者は結果的に、より積極的に展示と関わることになっていく。

An architectural installation inside The Treasure Hall. The room is silent and dark with a carpet, with curtains in the doorways as a light / sound trap as you enter to make the room dark and quiet. A false partition wall is built; in this wall set up high are a series of long horizontal windows above the head of the spectator. These windows are the only source of light in the room. The light from behind them is very bright white daylight. And the tops of a forest of evergreen trees are visible form behind. This partially obscured view is of course a set that has been constructed to look like a forest.

変化と同じくらい信頼に足るもの
As reliable as change | 変化と同じくらい信頼に足るもの 2011



(2)Consequence of evidence | 証拠の帰着点?それは本当にあったんだよ? 2011

アートは目に見えなくてもいい

破壊された展示ケースのインスタレーション作品。窃盗犯が展示ケース内の宝物を盗んだばかりの、あたかも「事件現場」のように思わせるインスタレーションは、鑑賞者に「何が起こったのか」を想像させずにはおかない。不在によってその存在を強調する手法はガンダーが繰り返し用いる手法である。1974年に天満宮から盗まれていまだ戻らない、いわくつきの刀をめぐる幻想がテーマの作品。

A large white glass topped under-lit vitrine made to fit with others in the museum, the top of which has been smashed and the contents of which seem to have been stolen. The plaque describing the contents of the vitrine communicates to the viewer that the contents was a sword associated with the history of the shrine, but in fact one that has know to have existed but has been stolen long ago.

証拠の帰着点?それは本当にあったんだよ?
Consequence of evidence | 証拠の帰着点?それは本当にあったんだよ? 2011



(3)The 'thinking' art enthusiast's national treasure | 「考える」熱烈な美術愛好者のための国宝 2011

リセットはなんのため?自分のための記念日を作ろう

太宰府天満宮独自の新しい記念日を作ろう、というガンダーの呼びかけにより展開されたプロジェクト。記念日は3月16日と定められた。具体的には記念日にちなんだキーホルダーのキャラクターである「ARATAちゃん」の制作や、記念日を告知するポスターを募集するコンペティション、応募ポスターの展示等が企画・実施された。 新しい記念日の名前は「NEW NEW DAY」。身の回りの見慣れたものを白一色に塗りつぶす、というのがNEW NEW DAYに想定される儀式。白色が象徴する清浄無垢な状態に戻って、もう一度、自分にとって本当に大切なもの、未来に伝えていくべき何かを考える、というのがそのコンセプトである。ちなみに「『考える』熱烈な美術愛好者とは、「考える人」のもじりと思われる。ガンダーの幻想にのっとれば、「すべてわかった」といって境内を立ち去った「考える人」に対し、いまだすべてを理解してはおらず「考え中」の美術愛好者の皆さん、に対する呼びかけといったところだろうか。

The instigation of a new shrine holiday day, where people who participate perform the task of 'Painting an object white'. The day would be named 'New New Day' and advertised in the shrines calendar. The by-products of the introduction of this new holiday include a poster designed by a local designer, showing the cityscape all in white, an announcement through the printed matter of the Shrine and the mass production of a small lucky charm / keyring to be made available at a small cost through the Shrines museums retail outlet.

「考える」熱烈な美術愛好者のための国宝
The 'thinking' art enthusiast's national treasure | 「考える」熱烈な美術愛好者のための国宝 2011



(4)You have my word | あなたに誓おう 2011

もし神道に匂いや音があるならば?

You have my word展「The 'thinking' art enthusiast's national treasure」のリサーチの過程で、ライアン・ガンダーから発せられた質問の一部を「神道クエスチョン」としてまとめたもの。異文化に育ったものならではの視点で、神道に質問を限定することなく、日本人の精神的な核が何かを探ろうとする試みである。

Double sided A5 size printed questionnaire in association with the project NEW NEW DAY, a proposal for a national holiday during which the public encouraged to paint the world white.

あなたに誓おう
You have my word | あなたに誓おう 2011



(5)Everything is learned, VI | すべてわかった VI 2011  ※現在も公開しています

不在だからこそ、その存在を意識する?

本作品はA・ロダン(Francois-Auguste-Rene Rodin, 1840ー1917)の彫刻「考える人」が立ち去った後を想像することからスタートした。岩に施された痕跡は「考える人」が、岩が摩耗するほどの長時間そこで思考にふけっていたことを暗示する。考えていたことが「すべてわかった」からこそ、「考える人」はそこを立ち去ったのではないか?岩に最小限の手を加える事で作品となっているこの彫刻は、不在であるがゆえにその存在を強く意識するというパラドックス、そしてそれほどの長考にふさわしいテーマとはいったい何かというミステリーを魅力的に表現し、見る者の感覚を揺さぶる。

The work is show in a wooded area, a very large rock which has smoothed areas on differing parts of its surface, that correspond to where Rodin's A Thinker's buttocks, calves, heels and balls of feet would been sited if he had used it to sit on.

すべてわかった VI
Everything is learned, VI | すべてわかった VI 2011



(6)Metaverse | 並行宇宙 2010  ※現在も公開しています

伝説をめぐる不思議なメカニズム

架空の出来事を記念する石柱が残骸となって朽ち果てている様子を屋外彫刻として展示するインスタレーション作品。ガンダーは架空の人物やモチーフを自ら創造して作品に取り込むという手法を好んで用いる。本作品の主人公である第4代イガートン男爵(Maurice Egerton 1874-1958)は実在の人物であるが、ガンダーによって新種の極楽鳥の発見者という架空の伝説をあらたに付け加えられて作品化されている。ときに伝説は創造され、破壊されることで、 さらに伝説としての輝きを増すことがある。破壊された状態で展示されるという前提の本作品は、伝説をめぐる不思議なメカニズムと、想像力そのものの輝きをウィットに富んだ表現で視覚化している。

A broken stone statue of The Fourth Baron of Egertons' 16 plumed bird of Paradise, a fictional bird invented by the artists to accompany the existing history of the identity of The Fourth Baron of Egerton. The broken statue would have stood approximately 100cm tall on a 100cm high pedestal, and is rendered in a mineralised cubist style. The statue exhibited discarded with other ruined parts of statues broken pieces covered with moss, as if destroyed and dumped years earlier.

並行宇宙
Metaverse | 並行宇宙 2010



(7)Really shiny stuff that doesn't mean anything | 本当にキラキラするけれど何の意味もないもの 2011
   ※神社の行事等の都合により、公開していない場合があります。詳しくはお問い合わせください


本当の力は目に見えない

磁石によって集められ固まりとなった金属片から作られた球体。 エネルギーがエネルギーを呼びこんで次第に一つの固まりになる、ビッグバンのような宇宙的イメージをも連想させる本作品は、見る人にスケールに対する意識の拡張を感じさせる。球体の表面を覆う金属片と磁石。しかし本当にそれらを結集させ、1つの球にまとめあげているもの、すなわち磁力に象徴されるエネルギーは、本作品の真の主題であるにもかかわらず、目には見えないのである。
※この作品には、大量の磁石が使われ、強い磁気を発していますので、ペースメーカーをご使用の方の近距離でのご鑑賞には、十分ご注意下さい。

A ball measuring 80cm across, sits on the gallery floor, made entirely of thousands of shiny stainless steel magnets of various sizes and shapes.
※This piece releases strong magnetic as a large amount of magnets are in use. Please be aware those who are using pacemaker.

本当にキラキラするけれど何の意味もないもの
 Really shiny stuff that doesn't mean anything | 本当にキラキラするけれど何の意味もないもの 2011



(8)Like the air that we breath | この空気のように 2011  ※現在も公開しています

大切なことは目には見えない?

タイムカプセルの体裁の作品。太宰府天満宮幼稚園の園児75名との合計4回のワークショップを経て完成した。ガンダーの指示に従って、幼稚園児たちは「大切な人にあげる大切なもの」をタイムカプセルに納めるべく持ち寄った。タイムカプセルの目印となる柱に彫刻されているのは園児たちが選んだオブジェの形を単純化したガンダーによるピクトグラムである。本作品において「大切なモノ」は記号化されたイメージでしか表現されず、それをあげるべき「大切なヒト」が誰なのかも、鑑賞者にはわからない。「大切」とされる要素はことごとく不可視の状態で呈示される、あるいは暗号めいた記号としてのみ存在する。

A simple time capsule made of by objects brought to the crèche of the Dazaifu Shrine, Fukuoka,Japan by each of the 75 children that attend. These objects are chosen as 'a gift they would give to the person they care about, that is insignificant in value but worth in meaning'. These objects will be put into an airtight container, which would be buried, and then the location marked by a large wooden pillar. The pillar would be inserted into the ground so that only 80cm is above ground; on this 80cm will be carved and painted pictograms of each of the objects, designed by the artist from seeing the objects chosen by the 75 children.

この空気のように
Like the air that we breath | この空気のように 2011



All Photos : © Ryan Gander, Courtesy of Dazaifu Tenmangu Shrine & TARO NASU, Photo by Yasushi Ichikawa

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